大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)3016 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人中村武の上告趣意について、

論旨第一は量刑不当の主張であり、同第二乃至第四は結局事実誤認若しくは単な

る法令違反の主張で、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人は論旨第五において原判決の憲法違反を主張するが、原判決は被告人に対

する量刑について「本件犯罪の動機、罪質、態様その他諸般の情状を考察すると各

論旨摘示の諸事情を参酌しても原審が本件について被告人に懲役弐年六月の実刑を

科したのを以て強ち刑の量定が重きに過ぎて不当であるとは認められない」と判示

している。即ち原審は本件犯情に鑑み第一審判決の量刑を肯定したのであつて、被

告人が朝鮮人なるが故に特に重く処罰した趣旨でないことは明白である。その他記

録を調べても被告人を科刑上差別待遇したと認むべき形跡はない。従つて所論違憲

の主張はこれを容れる余地はない(当裁判所昭和二三年(れ)第七〇号同二三年五

月二六日大法廷判決参照)。

また記録を精査しても刑訴四一一条を適用して原判決を破棄すべき事由を発見す

ることはできない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年一一月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!